東京貴金属見通し=金、FOMC声明次第か

2017/06/09 17:06:15

<金>
 今週の東京金先限は上値を試した後、利食い売りなどがみられ反転し、水準を切り下げての越週となった。
 来週は、13〜14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)が注目材料。米追加利上げは既に織り込み済みで、FOMC声明において従来の年3回の利上げ見通しが維持されるかどうかが焦点。年3回を明言するようだと一段安か。今後の利上げについて不透明感が金市場に漂えば、買いが膨らみそう。ただ、今週注目された前連邦捜査局(FBI)長官の議会証言では、トランプ米大統領の弾劾に直接結びつくような証言がなかったため米政治リスクが後退し、NY金の地合いは軟化しつつある。FOMC声明が買い材料にならなければ、目先の下値を探ることになると読む。
 来週の先限予想レンジは4430円〜4550円。

<白金>
 今週の東京白金は軟調。週明けに一時上伸したが、為替の円高や欧州経済の先行き不透明感を背景とした需要減少懸念などを嫌気した売りに押され、5月10日安値3314円を窺う展開となった。
 8日の英総選挙では、与党の保守党も野党の労働党も過半数割れとなり、今後の欧州連合(EU)からの離脱交渉が困難なものになるとの見方が強まった。欧州中央銀行(ECB)理事会ではインフレ見通しが引き下げられ、量的緩和縮小が議論されなかったとのドラギ総裁発言で対ユーロでのドル高が進行し、ドル建てNY白金に割高感からの売りが入ったことも圧迫材料となった。
 来週13日、14日には米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え様子見姿勢も強いため下げ幅は限られたが基調は弱く、前述の10日安値を割り込めば、昨年11月15日安値3206円も視野に下値を試す展開になると考えられる。
 来週の予想レンジは先限ベースで3200円〜3400円。

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