東京貴金属見通し=金は依然売り方有利か

2017/09/29 16:47:54

<金>
 今週の東京金先限は、年内の米追加利上げ観測が一段と強まったことを要因に手じまい売りが先行し、水準を切り下げる取引となった。
 来週も売り方有利か。米利上げ観測による地合いの軟化はトレンドを下向かせており、テクニカル売りを誘い易くしている。先限は抵抗線が4600円水準までみられないことで、調整ムードなら軟調推移必至の流れと読む。北朝鮮の核開発計画やイラクのクルド人自治区での独立への住民投票後の地政学リスクは、買い材料の火種として存在していることは確かだが、火種のままでは下に向いてしまったトレンドを反転させることはできないだろう。
 来週の先限予想レンジは4580円〜4700円。

<白金>
 今週の東京白金は下落。100日移動平均線を割り込み、1カ月半ぶりの安値圏に値を沈めた。また、ドル建てNY白金が下落する一方で、パラジウムが上伸し、パラジウムが白金の価格を上回った。NY白金とパラジウムの価格逆転は2001年8月以来16年ぶり。
 中国政府は28日、自動車メーカーに一定比率以上のエコカー生産、販売を義務付ける厳しい新規制を発表。大気汚染が深刻化する中、電気自動車(EV)などの「新エネルギー車」の強制普及に踏み切ったことで、自動車の排ガス除去装置に用いられる白金の需要減少見通しが強まったことや、白金とパラジウムの価格差を狙った投機筋の白金売り・パラジウム買いが進んでいたことなどを要因に白金の上値は重く、為替の円安に支えられながらも、目先は6月16日の年初来安値3275円を視野に下値を試す展開になると考えられる。
 来週の予想レンジは先限ベースで3250円〜3400円。

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