東京貴金属見通し=金、押し目買い局面か

2019/03/01 17:37:29

<金>
 今週の東京金先限は、米経済指標の底堅い内容を背景にドルが強含みNY金が下落したため、総じて軟調に推移した。
 来週は調整を挟んだ後の押し目買い局面となりそう。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が26日に行われた上院の議会証言で、金融政策の変更に忍耐強く対応し利上げを急がない姿勢を改めて示したことで、金相場の根底の堅調地合は継続している。米中両国が3月1日に設定した貿易協議の期限は延長され、2日に予定していた対中制裁関税の引き上げは先送りする。ただ、具体的な期間には言及していない。延長せざる得ない状況を軽視すべきではないだろう。楽観ムードだった米朝会談のように決裂となる事態も想定され、買い方有利の様相になると読む。一時的なドル強含みでも売りが膨らむような環境ではないと判断し、押し目買いでの対処が得策か。
 来週の先限予想レンジは4600円〜4780円。

<白金>
 今週の東京白金は上伸。米中貿易協議の進展や中国の景気浮揚策により同国の自動車販売台数が回復するとの期待感を背景としたパラジウムの急騰になびいた買いや、世界最大の白金生産国の南アフリカ共和国での減産懸念などを手掛かりに値位置を切り上げ、直近の上値抵抗として作用していた100、200日移動平均を上抜いた。直近の目標値は2018年11月9日高値3177円、同水準を超えれば3200円の大台も視野に入る。
 南アフリカでは鉱山労働者・建設組合連合(AMCU)が22日、同国大手シバンエ・スティルウオーターで行われているストへの支援ストを、白金鉱山を含む15社で2月28日から3月7日に実施すると発表。南アの国営電力会社エスコムが2月9日から4日連続で計画停電を行い、現在も断続的に部分的送電停止が行われる可能性があると警告するなど電力供給が不安定なことから、白金の供給減少懸念を強め、白金の支援材料となった。
 来週の予想レンジは先限ベースで2900円〜3200円。

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