東京貴金属見通し=金、神経質な取引か

2019/03/29 17:18:16

<金>
 今週の東京金先限はもみ合い後、ドル高・ユーロ安を要因にNY金が下落したため、水準を切り下げる形で越週した。
 来週は、地合いを悪化させて越週したことで、下振れを警戒しながら神経質な取引を強いられそう。ドル高が一服すればFRBがハト派姿勢を強めている状況下であるため買い戻されそうだが、長引く英国のEU離脱をめぐる懸念や、トランプ米大統領がゴラン高原のイスラエルの主権を認めたことにトルコのエルドアン大統領が猛反発しトルコリラが急落するなど、ユーロ周辺国の先行き不透明感が強まっている。ユーロ売りが一巡したとみるのは、まだ早いのかもしれない。パラジウムの急落も、他の貴金属にどの程度悪影響をもたらすのか見極める必要がありそう。ただ、手じまい売り一巡感が強まれば、戻り足の軽い動きがみられると読む。
 来週の先限予想レンジは4500円〜4700円。

<白金>
 今週の東京白金は週明けに急落し、25日安値2970円をつけた後は、一時買い戻されたが、対ユーロでのドル高をみたNY白金の下落やパラジウムの急落になびいた売りに押されて週末に下落した。ただ、先限が3000円の心理的な節目を維持して越週。来週は、最近の投資資金の流入の動きを背景に、同水準を維持できれば買い戻しの動きが強まると考えられるため、値固めを試す展開になると予想される。
 スイスのローザンヌで25日から開かれたFTコモディティ・グローバル・サミットで白金鉱山大手、英アングロ・アメリカンのマーク・キューティファニ最高経営責任者(CEO)が、パラジウム相場を「バブル」と表現。需要の8割を占める自動車メーカーがパラジウムの代わりにより安価な白金を使う可能性があるとの見方を示したことが、パラジウム急落の引き金となったとされる。ただ、四半期末を控えた利食い売りの側面もあるとの声も聞かれた。
 来週の予想レンジは先限ベースで2900円〜3200円。

関連ニュース(貴金属)

最新ニュース

※ 当社提供の情報について
本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終判断はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスにより利用者の皆様に生じたいかなる損害についても、第一商品は一切の責任を負いかねますことをご了承願います。

※ 本サイトに掲載されている情報の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。

ページトップ