東京貴金属見通し=金は強含みか

2019/05/31 17:06:50

<金>
 今週の東京金先限は、ドル高を要因にNY金が下落したため直近安値を切り下げた後、買い戻されて越週した。
 来週は強含みで推移しそう。トランプ米大統領がメキシコが不法移民対策を講じなければ、同国からの全輸入品に最大25%の制裁関税を課すと突然表明したことを背景に世界の株価は下落し、リスク回避の動きから安全資産のゴールドに投機資金の流入が加速しそうな流れとなっている。中国政府は1日、米国の対中制裁関税拡大に対する報復として、米国製品に課している追加関税を最大25%に引き上げる。米中が制裁と報復を繰り広げる「貿易摩擦」は「貿易戦争」へと発展している。ここにきての世界経済に悪影響を及ぼす材料の台頭は、株安・金高の動きが強まると判断すべきだ。今週末31日のローソク線は、買い戻しの始まりの陽線であったと読む。
 来週の先限予想レンジは4480円〜4600円。

<白金>
 今週の東京白金は下落。米中貿易戦争の長期化懸念や世界経済の減速見通しを背景とした工業用需要の減少懸念や、米統計がインフレ圧力が弱まる方向性を示したため、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測が浮上し週末にかけて下落、3カ月ぶりに2800円の大台を割り込んだ。
 また、中国国家統計局が31日発表した5月の製造業購買担当者景況指数(PMI)が景気の拡大・縮小の節目である50を3カ月ぶりに割り込んだことも心理的な圧迫材料となり、目先の上値は重い。このため、来週は、短期的には2018年9月5日安値2740円、同水準を割り込めば、18年8月16日安値2680円を視野に下値を試す動きが見込まれる。ただ、世界的な環境規制の強化に伴う自動車触媒需要や投資需要の増加による、需給バランスの改善期待から売り一巡後は買い戻される展開になると考えられる。
 来週の予想レンジは先限ベースで2700円〜3000円。

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