東京貴金属見通し=金、上場来高値更新か

2020/05/15 16:57:38

<金>
 今週の東京金先限は概ね堅調に推移し、上場来高値の更新を視野に入れる形で越週した。
 来週も強含みで推移しそう。世界経済の先行き懸念と米中の対立再燃への警戒が、安全資産とされるゴールドの存在価値を高めている。今週パウエル米FRB議長が、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う景気低迷の長期化懸念により追加の財政出動の必要性に言及したことは、ドル建て金の地合いを一層堅くさせた。歴史的に例のない超金融緩和政策が世界中で採用されている現状での金売りは、原油急落などの非常時による換金売り以外は考えなくていいだろう。その原油は回復基調。株価の戻り一服後、行き場を求めた余剰資金の金市場流入の可能性は高まっていると読む。強気買い姿勢での対処が得策か。
 来週の先限予想レンジは5900円〜6100円。

<白金>
 今週の東京白金は狭い範囲でのボックス圏の値動きを継続し、先限は2600円台前半で上下動した。
 世界各国で新型コロナウイルス感染症拡大抑制のために実施していた都市封鎖などの外出制限措置が緩和され経済活動は徐々に再開し、自動車販売台数の回復が期待される。一方で、国際通貨基金(IMF)は消費の落ち込みといった4月以降の各種経済指標を元に、世界経済が3%縮小するというIMFの予測を裏付けるとともに、更なる下方修正が行われる可能性を示唆している。また、既に規制を緩和した国でも一部「第2波」が発生し始めており、封鎖解除の難しさが浮き彫りになっていることや、トランプ政権の圧力を受けた米国の連邦職員向けの年金基金が中国株への投資開始計画を取り下げるなど、米中対立への懸念が強まっていることが先行き不透明感を強めており、目先はもち合いながら値位置を探る動きが見込まれる。
 来週の予想レンジは先限ベースで2400円〜2700円。

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