2021年3月の香港経由の中国金純輸入量が急増、15カ月ぶりの高水準

2021/04/28 13:15:38

 香港政府統計局が4月27日発表した統計によると、中国人民銀行(中央銀行)が需要の改善に伴い新たな輸入割当を発表したことで、2021年3月に香港経由で中国が輸入した金の純輸入量は16.545トンと前月の4.192トンを12.363トン上回る大幅増加。月間ベースとしては2019年12月(41.361トン)以来の大きさを記録。

 ストーンXのアナリスト、ローナ・オコンネル氏は「中国人民銀行が銀行に輸入割当を発行しているので、3月の数字はそれほど驚くべきことではない」と述べた。また、「中国の金需要は新年の祝祭の間に順調に回復し、それ以来堅調に推移している」とも述べた。
 複数の関係筋によると、中国が国内と国際銀行に対して大規模な金輸入を許可したことが16日、分かった。同筋は「中国当局の輸入許可を受け、約150トンが4〜5月に国内に到着する見通しだ」と述べた。

 世界最大の金消費国である中国は毎年、数100トン単位の金を輸入している。ただ、2020年は新型コロナウイルス感染拡大と国内需要の低迷で輸入量は急減していた。
 コメルツ銀行のアナリスト、カルステン・フリッチ氏は「国内の在庫は1年以上の非常に抑制された輸入活動の後、非常に低い水準にまで減少していた。したがって、今より多くの金を輸入する必要性が高まっていることは驚くべきことではない」と述べた。

 中国は世界最大の金消費国だが、金貿易にかかわる公式なデータを発表していない。そのため、香港政府統計局の数字が、中国本土への金の流れを把握するための代替指標となる。ただ、中国は上海や北京を通しても金を輸入しているため、中国の金輸入の全体像は捉えていない可能性もある。

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