2021年の世界パラジウム需給、供給不足量が増加する見通し=JM社

2021/05/18 14:32:53

◆2021年のパラジウム需給:前年から供給不足が拡大する見通し
◆2021年の南アフリカ共和国:鉱山生産高が大幅に回復
◆2021年の自動車触媒需要は増加、リサイクル回収量も増加する見通し

 2021年の世界のパラジウム需給は25.8トンの供給不足予想。世界的な環境規制の強化に伴うガソリン自動車への装填量の増加や、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により減少していた自動車生産台数が回復することで、自動車触媒需要が増加すると考えられ、21年の自動車触媒需要は前年比10%増の293.7トンが見込まれる。
 また、中国の過酸化水素生産者による非常に強力な投資により、産業用需要も増加。一方、パラジウム価格の上昇により、自動車スクラップからのパラジウム回収量が大幅に増加すると考えられ、リサイクル回収量は前年比14%増の111.0トンと予想される。

 また、21年の世界のパラジウム需要合計は前年比11%増の346.7トン。パンデミック後の自動車生産台数の回復、欧米のガソリン車への負荷の増加、化学部門での消費量の増加などが要因。
 一方、21年の鉱山生産高は10%増の209.9トン。南アフリカ共和国のパラジウム生産が回復したが、ロシアのノリリスク・ニッケル(ノリニッケル)社の鉱山が水没した事故の影響により、19年(221.0トン)の水準までは回復しないと見られている。

 パラジウムの産業構造は、需要が供給よりも速く増加しているため、市場の供給不足は今後も拡大すると予想される。
 また、2021年第1四半期のパラジウム価格は史上最高値の水準で推移しており、産業界や自動車メーカーは、パラジウムの使用量を減少させる努力を行うことで対応している。この活動は実を結び始めており、米国、メキシコ、インドなど、幾つかの主要市場でパラジウムの代替として白金の含有量を増やした排ガス除去装置のシェアが増加するならば、パラジウムの含有量は低下すると予想される。
 また、中国では「国6」の環境基準に適合するために以前からガソリン車の触媒のPGM含有量の削減を研究しており、現在利用し始めている白金含有触媒の普及により、2021年に中国のガソリン車の平均パラジウム含有量が少なくとも10%減少すると予想されている。

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