NY金、1900ドルの節目を突破

2021/05/26 13:44:11

 5月26日ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金相場は、米連邦準備制度理事会(FRB)当局者のハト派的な発言を背景にした米長期金利の低下や為替のドル安で買われ続伸。中心限月の期近6月限はアジア時間帯での取引で一時1908.40ドル(日本時間26日13時30分現在)と、中心限月の継続足で1月8日(1915.20ドル)以来4カ月半ぶりの高値を付け、1900ドルの節目を突破した。

   米FRBのクラリダ副議長やブレイナード理事、シカゴ地区連銀のエバンズ総裁、セントルイス地区連銀のブラード総裁などがインフレ率の上昇について、「一過性の影響」「一時的な見方を維持している」などと発言し、現行の量的緩和策は維持されるとの考えを表明。また、25日発表された5月の米消費者景気信頼感指数と4月の米新築住宅販売件数が市場予想を下回った。
 25日のニューヨーク金融・債券市場では、米FRB当局者のハト派的発言や弱い米経済指標を受けて、早期の金融緩和縮小懸念が後退。米長期金利の指標となる10年物米国債利回りが一時1.5540%と、5月7日以来約3週間ぶりの低水準に下落。金利を生まない資産である金には強材料となった。
 また、25日の外国為替市場では米長期金利の低下がドル売り材料。一方、欧州では新型コロナウイルスの感染による都市封鎖の緩和で景気回復への期待が強まっていることや、ドイツの景況指数の上昇がユーロ買い材料となり、ドルは対ユーロで一時1ユーロ=1.2266ドルと、1月8日(1.2283ドル)以来4カ月半ぶりのドル安・ユーロ高水準に下落。

 NY金は1900ドルの節目を突破したことで、次の上値目標は中心限月の継続足で1月6日に付けた年初来高値1962.50ドルになることが予想される。今後発表される米経済指標が米FRBの当局者のハト派姿勢を強める結果となれば、早期に同高値を試しに行く相場展開になるだろう。  

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