香港経由の中国金輸入:2021年4月の金純輸入が2カ月連続で大幅増、約3年ぶりの高水準

2021/05/28 11:40:44

 香港政府統計局が5月27日発表した統計によると、2021年4月に香港経由で中国が輸入した金の純輸入量は52.821トンと前月の16.545トンを大幅に上回り、月間ベースとしては2018年6月(80.867トン)以来、約3年ぶりの高水準を記録。
 世界最大の金消費国である中国の需要が昨年の新型コロナウイルスのパンデミックの低迷から力強い回復を示した。これはパンデミックの規制により、香港経由の輸入が少なくとも2011年以来初めて輸出を下回った昨年の同時期とはまったく対照的な結果となった。

 ストーンXのアナリスト、ローナ・オコンネル氏は「中国の旧正月以来、需要は堅調であり、香港を通じた供給の増加は、特に中国人民銀行(中央銀行)が輸入割当を発表したことから驚くことではない」と述べた。また「昨年の新型コロナウイルスの問題に続いて、国内のインフレへの懸念とともに、国内では繰延需要が多くあるため、引き続き強い流れが実現可能だろう」と付け加えた。
 ロイター通信は3月、「中国が国内と国際銀行に対して大規模な金輸入を許可した」と報じた。MKSのグレーターチャイナのバーナード・シン氏は「実際の輸入量は予想の範囲内であり、銀行は4月に輸入割当を利用している」と述べた。

 中国は世界最大の金消費国だが、金貿易にかかわる公式なデータを発表していない。そのため、香港政府統計局の数字が、中国本土への金の流れを把握するための代替指標となる。ただ、中国は上海や北京を通しても金を輸入しているため、中国の金輸入の全体像は捉えていない可能性もある。

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