金ETF、米FRB高官のインフレを巡る発言が重しに

2021/06/25 13:53:58

 ニューヨーク証券取引所に上場されている世界最大規模の金ETF「SPDRゴールド・シェア」現物保有量は、2021年6月24日現在で前週比0.88トン増加の1042.87トン。
 6月18日に前日比11.07トン増加の1053.06トンと、3月11日(1055.27トン)以来3カ月ぶりの高水準。しかし、その後は21日に同3.50トン減少、23日に同2.91トン減少、24日に同3.78トン減少した。

 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は6月22日の米下院での議会証言で、最近のインフレ率上昇に関しては「予想以上」としつつも、「一時的なもの」とする従来の見方を堅持。一方、セントルイス地区連銀のブラード総裁とダラス地区連銀のカプラン総裁は21日、テーパリング(量的緩和の縮小)を早めに進めれば、利上げを巡って一段と柔軟な対応が可能になるという考えを示した。また、アトランタ地区連銀のボスティック総裁は23日、米国の高インフレ期間が予想以上に長引く可能性があるという考えを示した。
 今週は米FRB当局者からインフレや金融政策について様々な見解が表明されたことで、今後の米金融政策に対し不透明感が広がっていることが金相場の重しとなっており、金ETFからの投資資金流出の背景にあるとみている。

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