今年第2四半期の世界金需要、1年ぶりの高水準=WGC

2021/07/30 15:18:12

 有力産金業界団体のワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が7月29日に発表した最新の『四半期世界金需要報告』によると、2021年第2四半期(4月〜6月)の金需要は955.1トンと前年同期比では1%減少したが、四半期ベースでは2020第2四半期(960.5トン)以来1年ぶりの高水準となった。中央銀行と投資家による買いが膨らんだ。

●中央銀行の純金購入、2年ぶりの高水準
 2021年第2四半期の中央銀行の純金購入は3四半期連続となり、前年同期比214%増の199.9トンと、四半期ベースでは2019年第2四半期(227.8トン)以来の高水準。また、2021年上半期の純金購入は前年同期比63%増の333.2トン。
 上半期の最大の金購入国はタイで前年同期比60%増の90.2トン。国際通貨基金(IMF)の最新データによると、タイ中央銀行の金準備は244.2トンと過去最高水準に増加。また、ハンガリーも上半期に金準備を増やした。3月に63トンの金を購入し、金準備を31.5トンから94.5トンと3倍にした。
 中央銀行は分散投資とリスク管理への継続的な注力により、2021年も2020年と同じかそれ以上の割合で金を純額で購入し続ける可能性がある。また、より多くの中央銀行または公的機関が将来的に金の保有を増やすことを計画している報告もある。

●投資需要
 2021年第2四半期の投資需要は前年同期比51%減少の284.5トン。金地金や金貨などの需要は増加したものの、金上場投資信託(ETF)は減少した。
 金ETFは2四半期連続で金の保有を急激に減らしていたが、第2四半期は金を買い増した。金ETFへの投資は2020年の記録的なペースを維持する可能性は低いが、需要はより持続可能なレベルに戻ると予想される。

●宝飾品需要
 2021年第2四半期の宝飾品需要は前年同期比60%減少の390.7トン。
 宝飾品製造業は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の影響から依然として不安定な状況にあり、2021年上半期の需要は2008年以降の四半期としては最も低い水準。

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