金ETF、1000トンの大台を割り込む

2021/09/06 11:35:04

 ニューヨーク証券取引所に上場されている世界最大規模の金ETF「SPDRゴールド・シェア」現物保有量は、8月31日に前日比1.46トン減少、9月2日に同1.74トン減少。2日に998.52トンと2020年4月9日(994.19トン)以来1年ぶりの低水準となり、1000トンの大台を割り込んだ。

 「SPDRゴールド・シェア」現物保有量が1000トンの大台を割り込んだものの、NY金は8月の米雇用統計が支援材料となり上昇。3日に発表された米雇用統計は非農業部門就業者数が前月比23万5000人増と、新型コロナウイルスの変異株拡大が響き、前月の105万3000人増から伸びが大幅に縮小し、市場予想の72万8000人増にも届かなかった。発表を受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)による早期の量的緩和縮小観測が後退し、金利を生まない資産である金には支援材料となった。

 「SPDRゴールド・シェア」の現物保有量は減少傾向が継続している。ただ、NY金は新型コロナウイルスの変異株「デルタ株」の感染拡大や、米国の早期量的緩和縮小観測などで上昇しており、「SPDRゴールド・シェア」もこれらの材料で1000トンの大台を早期に回復できるかに注目。回復できれば投資家心理の改善につながり、投資資金の流入が期待される。

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