9月の金ETFの現物保有量は、欧米ファンド主導に減少

2021/10/11 11:40:59

 国際的な産金業界団体ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)は10月7日、世界の金上場投資信託(ETF)の現物保有量の推計を発表。世界の金ETFの現物保有量の合計は9月30日時点で前月比15.24トン減の3591.93トン。金額ベースでは2014億5907万7296ドルとなった。

 9月の金ETFの現物保有量の減少は、欧州と北米のファンドからの資金流出が主要因。各国中央銀行は、新型コロナウイルスの感染拡大による経済の悪影響を抑えるために実施していた金融緩和策の縮小方針を示したことで、過剰流動性の受け皿となっていた金から資金が流出した。


 欧州中央銀行(ECB)は9月9日、新型コロナパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)による購入ペースを適度に減速することを決定。また、米連邦準備制度理事会(FRB)は、量的緩和の縮小(テーパリング)の開始時期をまだ発表していないが、22日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)参加者による金利見通しでは、2022年末までに政策金利のフェデラル・ファンド(FF)金利の引き上げを見込む参加者が9人と参加者の半数を占め、2022年中の利上げの可能性が高まったことが、金利を生まない資産である金にとっては弱材料となった。


 一方、アジア圏では中国とインドでの金ETF現物保留量が増加。中国では、同国不動産大手、恒大集団の債務不履行(デフォルト)懸念が支援材料。また、インドでは金価格の低迷を受けた値頃感からの購入に支えられた。

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