11日のNY金は上伸、ドル安やインフレ圧力の継続見通しなど背景に

2022/05/12 8:58:44

 11日のNY金は上伸。指標限月6月物の清算値(終値)は前日比12.7ドル高の1853.7ドルとなった。
 米労働省が11日に発表した4月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比8.3%上昇となり、市場予想(同8.1%上昇)を上回った。ただ、前月(同8.5%上昇)よりも伸びが鈍化していたため市場の反応が割れ、インフレ圧力の強さを背景とした米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースの加速観測から、発表直後は対主要国通貨でのドル高が進行し、ドル建てNY金は一時1830.6ドルまで下落した。
 しかし、売り一巡後は、欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁の早期利上げに前向きとも取れる発言を受けドルが対ユーロで軟化したことや、米CPIの伸びは鈍化したが高インフレは当面続く可能性が高いとの見方などを手掛かりに金は買い戻された。
 ラガルドECB総裁は11日の講演で、ECBは第3四半期初めに資産購入プログラムを終了する可能性が高く、初回の利上げは純資産購入の終了から「しばらく」後となるが、その期間は「数週間」後になるかもしれないとの見解を示した。また、ロシア産天然ガスの欧州への供給が減少したことや中国のエネルギー需要減少観測の後退を受けて原油価格が上昇したことが、エネルギー価格上昇によるインフレ圧力の継続見通しを強めている。

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