/アナリストの目

今週のNY金は下落、中国やユーロ圏経済の減速懸念を背景としたドル高を受け
4/28/2022 1:26:33 PM

 今週(4月25日〜28日)のNY金は下落。
中国での厳格な新型コロナウイルス対応により同国のエネルギー需要が後退することでインフレ圧力が後退するとの見通しを背景んい、インフレヘッジとしての金の需要が後退。また、米連邦準備制度理事会(FRB)による大幅利上げ観測に加え、ロシア国営ガス企業のガスプロムは27日、ポーランドとブルガリアの2カ国への天然ガス供給を停止したと発表し、エネルギー不足によるユーロ圏地域の景気後退懸念が台頭したことから、対ユーロでのドル高が進行。ドル建てNY金が割高感からの売りが入り下落した。




 中国では新型コロナウイルスの感染拡大に伴う市民の行動制限が北京にまで拡大し、北京でもロックダウンが行われるのではないかとの懸念が台頭。上海では既にロックダウン(都市封鎖)が1か月に及ぶものの未だに封鎖が解除されていないことも、警戒感を強めた。

 世界最大のエネルギー消費国である中国経済が鈍化すれば、世界的な原油需要が減少し、原油価格の下落により現在のインフレ期待も後退するとの見方が、インフレヘッジとしての金需要を後退させた。また、中国は世界最大の金需要国ではあるが、投資需要の多くは個人の投資家による小口取引であり、行動制限が行われれば金への投資需要も後退する。野村ホールディングス傘下の野村国際(香港)が16日に示した、中国の45都市で何らかの都市封鎖が行われ、対象者が3億7300万人(全人口の26.4%)が行動制限を受けるとの見通しが再注目された他、中国通貨・元が対主要国通貨で下落し、ドル高が進行。ドル建てNY金に割高感からの売りが入り下落する要因となった。




 来月5日3日、4日に控えた米連邦公開市場委員会(FOMC)での政策金利の大幅引き上げが予想されていることも、金価格を圧迫した。金利が上昇した時、金利を生まない資産である金を保有する機会費用が上昇するため、金価格は下落する。パウエル米FRB議長は21日、国際通貨基金(IMF)の春季会合に参加。0.25%ずつの連続利上げが実施された2004〜06年と比べ現在のインフレ率の方が「はるかに高い」と指摘し、5月会合で0.5%の大幅利上げ実施する可能性を示した。他の米FRB高官らも積極的な金融引き締め策を支持する姿勢を表明している。
 一方、日銀は28日の金融政策決定会合で現在の大規模な金融緩和策の継続を決定。発表直後の為替レートは1ドル=128円台後半から130円の大台を伺う水準まで急速に円安に振れた。日米金利差を意識した円安ドル高傾向は当面続くと考えられる。




 ロシア国営ガス企業のガスプロムは27日、東欧のポーランドとブルガリアの2カ国への天然ガス供給を停止したと発表。ルーブルでの支払いがなかったため両国へ供給を完全に停止したと説明している。ロシアのプーチン大統領は3月23日、ロシア産天然ガスを購入する非友好国企業にルーブルでの支払いを求める方針を明らかにし、3月31日に大統領令を発行した。なお、対象となるのは4月1日以降に輸出される「ガス状」の天然ガスであり、日本が輸入する液化天然ガスは対象に含まれない。


※ 今回の市況はゴールデンウィーク前の祝日を控え、日本時間4月28日に作成しています。
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