/アナリストの目

今週のNY金は上伸、SVB破綻をきっかけとした金融不安を手掛かりに
3/17/2023 8:52:30 PM

今週(3月13日から17日)のNY金は上伸。
先週10日、米連邦預金保険公社(FDIC)は、米カリフォルニア州の規制当局が米金融持ち株会社SVBファイナンシャル・グループ傘下のシリコンバレー銀行を閉鎖したと発表。SVBは債券販売で18億ドルの損失を出し資金調達に失敗したが、これにより銀行の保有する大量の債権価値の下落が懸念されたことで、銀行株が軒並み下落。スイスの金融大手クレディ・スイスは、3月9日に予定していた年次報告書の発表を延期したばかりだったこともあり、SVBの破綻によるパニックの煽りを受けて株価が一時24%急落。市場に一層の混乱がもたらされるなかで、金を巡る市場環境が一変。金は安全資産として買われ急伸した。



来週は米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、市場の注目は米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ幅へと向けられる。
本来、パウエル米FRB議長は上下両院での議会証言において、利上げが経済へ与えた影響を測るためにも小幅な利上げを継続する、金融引き締め方針を示していた。しかし、今回のSVB破綻に対する預金者保護やクレディ・スイスへの救済などの各国政府の方針は、金融緩和となり、パウエル米FRB議長の示した方針とは相反するため、市場では、米FRBは次回のFOMCで0.25%の利上げを実施するか、場合によっては利上げを見送る可能性があると考えられる。
このことから、米FOMCでの利上げ観測を背景に売られていた金は買い戻され、ドル建てNY金は1か月半ぶりに1トロイオンス=1900ドル台を回復した。当面は、金融不安を背景とした安全資産としての買いに支えられ、堅調推移が見込まれている。また、SVBに端を発した金融不安が更に拡大するようだと一段高を試す展開も期待される