/アナリストの目

金も含め商品相場全体に4月一杯くらいまで上昇か?
2/22/2012 1:17:39 PM

昨年末までの動きと年明け以降の動きは完全に別物。
投資環境が改善し株式相場も高ければ商品相場も高い。
貴金属相場もかなりの上昇を演じており、目先的には高値警戒感も強まっているものの、4月いっぱいまではこの上昇は続くのではないかと予想している。

そう予測するする理由はユーロとNY株の今後の展開から。

≪ユーロ≫

昨年後半は、欧州財政問題の悪化からユーロが売られ、ユーロ安/ドル高からドル建て商品に割高感が強まり大きく売られる展開となったが、年明けから売られ過ぎのユーロは買い戻しが入り反発、ユーロ高になることによってドル建て商品の割高感が薄まり貴金属相場は上昇する展開となっている。

21日にギリシャに対する1300億ユーロの支援が合意され、懸念されていたデフォルトはひとまず回避できたことを好感してユーロはまだ上昇する余地があるとみている。
まだまだ問題は山積みではあるが、現在のユーロ相場は明らかに売られ過ぎとみている。

下記グラフを参照していただきたい。


昨年後半から大きく売られ1月中旬まで下落したユーロ相場のファンドの売り越し量は
17万枚まで達し、過去最高の売り越し量となっていた。
最近の反発によりファンドの売り越しは14万枚まで減少してはいるものの、まだまだ売り越し量は大きくさらに減少しユーロ高になってくる可能性があるのではないか。
ユーロキャリートレードの「巻き戻し」によるユーロ高/ドル安でドル建て商品に割安感強まり商品相場全般に上昇しやすい地合いとみている。

≪NY株式≫

本日、NY株式市場では13000ドルに到達し、3年9か月ぶりの高値を付けている。
昨年の高値を突破し、07年10月に付けた最高値の14198ドルを視野に入れた展開になってきている。
世界的な金融緩和による余剰資金が株式に流れてきていることはすでに指摘されている。
米経済指標もかなり改善されてきており、米景気回復に対して安心感が強まっていることも株価を上昇させやすい環境となっている。
米株式相場には「sell in may and go away」という格言があることをご存知でしょうか?
直訳すると「5月に売って逃げろ」となる。

確かに過去の相場を見れば5月辺りから株価が調整安を入れる確率が非常に高い。
米株式のアノマリーの一つである。

下記グラフを参照していただきたい。


このチャートはユーロ/ドル、NY金、NY株の値動きであるが、金上昇時において一つの共通点がある。
NY株が上昇すると金も上昇しやすいということである。
一般には株式と金は逆相関関係があるといわれていたが、ここ数年は連動することが多くなっている。
本来、ユーロ高なら金上昇、ユーロ安なら金下落とユーロと金の相関性が強いが、ある時ユーロとの連動性が途切れることがある。

何が原因で相関性が途切れるのか?・・・・原因は「NY株上昇」であるとみている。

実際に、過去を検証してみると、 ギリシャ問題が発生した09年11月からユーロは下落し、高かった金も同様に2ヶ月間下落した。
しかしその後4か月にわたりユーロは更に下落しているにも拘らずNY金は上昇している。
この時ユーロとの相関性が途切れているのだが、下段のNY株を見ると上昇している。
このNY株上昇こそが「リスクオン」の状況となり金市場に資金が流入する原因となった。
ファンドは株式市場に巨額の資金を入れ運用しているが、株上昇で利益が出れば、ファンドの「リスクに対する許容度」は拡大し、より積極的に投資ができる。
この「リスク許容度の拡大」が金を押し上げる要因と解釈している。
その株式も昨年、一昨年とも、4月末が高値で5月以降下落している。
5月に売って逃げろ」の格言通りの展開だ。

5月に向けて株が高いなら、まだしばらく「リスクオン」の状態が続くと予想され、金ほか他の商品相場にも資金が流入してくることになるだろう。

結論として、ユーロ高=金買い、NY株高=金買い、しかも円安であれば尚更のこと東京金は大きく上昇する。
もちろん上昇しっぱなしとはいかず、調整局面を迎える場面も想定しなければならないが、押し目買い基調に変わりなし。
5月までに最高値の4754円を狙う展開、あるいは大きく上抜くこともあり得る。

もう一つ、仮にユーロが売られユーロ安になったとしても、NY株が上昇すれば「リスクオン」の状態は続き、ユーロ相場に連動することなく金は上昇するとみている。

年明けからの上昇幅もかなり大きなものとなっているため、一旦、利食い売りが出れば調整安も大きくなる可能性もあるが、注意しながらも、押し目買いに徹するべきだろう。